電気回路理論/節点解析法

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回路方程式

回路の解析法として2通りの方法がある。

  • 節点解析法(nodal analysis): 回路の節点に着目し、それぞれの節点の電位を変数として、KCLを用いて節点方程式をつくる。
  • 網目解析法(mesh analysis): 回路の網目(閉路)に着目し、それぞれの網目を流れる電流を変数として、KVLを用いて網目方程式をつくる。

解析において作成される節点方程式や網目方程式をまとめて回路方程式と呼ぶ。

この節では節点解析法について大雑把に解説する。厳密な話は後の節で再度述べることにし、ここではまず節点解析法がどのようなものであるかを述べることにする。また、網目解析法については次の節で説明する。

節点解析法

節点解析法は、各節点の節点電位を変数として、KCLによって解析を行う方法である。

回路図が無いため、しばらく記号で代用します

     A     →i1       B
┌────┬────R1────┐
│      │              │ 
↑i       R2↓i2          R3↓i3
│      │                  │
└────┴─────────┘
          C

たとえば上図のπ形回路で考えてみよう。ここで節点Cを基準節点とし、この点の電位に対する節点Aと節点Bの電位をそれぞれvA,vB{\displaystyle v_{A},v_{B}}とする。ここで各節点にKCLを用いると、節点から流れ出る方向を正として、節点A: i1+i2i=0

{\displaystyle i_{1}+i_{2}-i=0}

節点B: i3i1=0

{\displaystyle i_{3}-i_{1}=0}

の2つの方程式を得る。ここでオームの法則より、i1=vAvBR1

{\displaystyle i_{1}={\frac {v_{A}-v_{B}}{R_{1}}}}

i2=vAR2

{\displaystyle i_{2}={\frac {v_{A}}{R_{2}}}}

i3=vBR3

{\displaystyle i_{3}={\frac {v_{B}}{R_{3}}}}

が成り立つ。ここからもとのKCLの式をvAvBR1+vAR2=i

{\displaystyle {\frac {v_{A}-v_{B}}{R_{1}}}+{\frac {v_{A}}{R_{2}}}=i}

vAvBR1+vBR3=0

{\displaystyle -{\frac {v_{A}-v_{B}}{R_{1}}}+{\frac {v_{B}}{R_{3}}}=0}

と書き換えることができる。さらにこれは行列を用いて、(1R1+1R21R11R11R1+1R3)(vAvB)=(i0)

{\displaystyle {\begin{pmatrix}{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{2}}}&-{\frac {1}{R_{1}}}\\-{\frac {1}{R_{1}}}&{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{3}}}\end{pmatrix}}{\begin{pmatrix}v_{A}\\v_{B}\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}i\\0\end{pmatrix}}}

と書くことができる。右辺を節点電流源ベクトルといい、左辺の縦ベクトルを節点電位ベクトルという。節点電位ベクトルは各節点の節点電位を縦に並べたベクトルであり、節点電流源ベクトルは各節点へ流れ込む等価電流源を縦に並べたベクトルである。

これより各節点の電位は(vAvB)=(1R1+1R21R11R11R1+1R3)1(i0)

{\displaystyle {\begin{pmatrix}v_{A}\\v_{B}\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{2}}}&-{\frac {1}{R_{1}}}\\-{\frac {1}{R_{1}}}&{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{3}}}\end{pmatrix}}^{-1}{\begin{pmatrix}i\\0\end{pmatrix}}}

によって求めることができ、また各枝電流は節点電位を求めた後でオームの法則より求めることができる。

節点解析法はこの左辺の係数行列(1R1+1R21R11R11R1+1R3)

{\displaystyle {\begin{pmatrix}{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{2}}}&-{\frac {1}{R_{1}}}\\-{\frac {1}{R_{1}}}&{\frac {1}{R_{1}}}+{\frac {1}{R_{3}}}\end{pmatrix}}}

を機械的に与える。この行列の対角成分(第(k,k)-成分)はk番目の節点に接続しているコンダクタンスの和である。これを自己コンダクタンス(self-conductance)という。また、この行列の非対角成分(第(k,l)-成分)はk番目の節点とl番目の節点の間に接続しているコンダクタンスの和に負の符号をつけたものになっている。これを相互コンダクタンス(mutual-conductance)という。

したがって、n+1個の節点を持ち電流源と抵抗のみからなる回路について、この方法で自己コンダクタンスと相互コンダクタンスを求めることによって(g11g12g1ng21g22g2ngn1gn2gnn)(v1v2vn)=(i1i2in)

{\displaystyle {\begin{pmatrix}g_{11}&g_{12}&\cdots &g_{1n}\\g_{21}&g_{22}&\cdots &g_{2n}\\\vdots &\vdots &\ddots &\vdots \\g_{n1}&g_{n2}&\cdots &g_{nn}\end{pmatrix}}{\begin{pmatrix}v_{1}\\v_{2}\\\vdots \\v_{n}\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}i_{1}\\i_{2}\\\vdots \\i_{n}\end{pmatrix}}}

の形の方程式を作ることができる。これを節点方程式(node equations)という。

もし回路に電圧源が含まれていれば、その場合はノートンの定理によって等価電流源に置き換えてから節点方程式を作ればよい。

まとめると、節点解析法を用いて回路の各節点の電位を求めるには、次の手順を踏めばよい。

  1. 電圧源が含まれている場合、ノートンの定理を用いて等価電流源に置き換えを行う。
  2. 節点のうち1か所を基準節点(0V)とし、その他の全ての節点の電位をv1,v2,,vn{\displaystyle v_{1},v_{2},\cdots ,v_{n}}とする。
  3. 各節点の自己コンダクタンスgkk{\displaystyle g_{kk}}、および各節点間の相互コンダクタンスgkl{\displaystyle g_{kl}}を求める。
  4. 各節点へ流れ込む等価電流源ik{\displaystyle i_{k}}を求める。
  5. 節点方程式をつくる。(g11g12g1ng21g22g2ngn1gn2gnn)(v1v2vn)=(i1i2in){\displaystyle {\begin{pmatrix}g_{11}&g_{12}&\cdots &g_{1n}\\g_{21}&g_{22}&\cdots &g_{2n}\\\vdots &\vdots &\ddots &\vdots \\g_{n1}&g_{n2}&\cdots &g_{nn}\end{pmatrix}}{\begin{pmatrix}v_{1}\\v_{2}\\\vdots \\v_{n}\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}i_{1}\\i_{2}\\\vdots \\i_{n}\end{pmatrix}}}
  6. 方程式を解く。コンダクタンスの行列の逆行列をかけたり、クラメルの公式を用いたりすることで、機械的に計算することができる。
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